マドンナリリーの栽培
"lilium"で販売するマドンナリリーの球根は、
クリーンベンチの中で種まきを行い、瓶の中で球根を育てます。
タネは採取後、
次亜塩素酸ナトリウム溶液で消毒し、
培地に置床(ちしょう)します。
瓶の中へ種まきが終わりました。
1本の瓶には、5粒のタネを播きます。
種まきに使用するタネは、
必ず胚乳が入っていること!
重要です。
そのために、種まきを行う前には
タネを光に透かして胚乳の存在を確認します。
かなり、目が疲れます。
タネが動き出しました。
タネから白いトゲのようなものが見えます。
これが発芽です。
瓶の中だからこそ見られる現象です。
土の中では、残念ながら見られません。
発芽したタネからは、このような感じで球根ができてきます。
大体、6ヶ月程度でこのようになります。
土の中では、ここまで2年は必要です。
なぜできるのでしょう?
それは、培養瓶の中はユリのタネにとって
最も良い環境だからです。
温度・湿度・肥料分
植物が成長するのに
すべての要素が整っています。
そして、環境が常に一定を保ち変わることがないことで
スクスクと成長します。
瓶の中で2cm程度まで育った球根は、瓶から出して土に植えます。
大体、1年でこの程度の大きさに育ちます。
この作業は、初夏から初秋までの間に行いたいと思っています。
マドンナリリーは、気温が高い時に馴化をすると早く動き出します。
寒いと、動いてくれません。
馴化後、1年間はこのままです。
1年目に花が咲くことも、まれにあります。
しかし、球根を充実させるためには
蕾を取るなど花が咲かないようにします。
マドンナリリーは、7月から9月頃まで眠ります。
2年目の球根は、9月から10月にかけて鉢などへ植え替えます。
植え替えたら、11月から2月までの
寒さをしっかりと球根に感じてもらいます。
低温を感じることで、花芽が作られます。
植え替え後から2月までに、
球根は元のサイズから一回り以上大きくなります。
そして、3月になると茎が上に伸びてきます。
これは、花が咲く準備になります。
球根によって差はありますが、
3月下旬頃から茎はぐんぐん伸びていきます。
この頃から、茎には支柱を立てます。
マドンナリリーは、球根の上に根が出ないので不安定です。
根本から折れることもあるので、支柱で支えるようにします。
5月上旬には、花が咲きだします。
香り高く、輝くような花びらを持つ
マドンナリリー。
1年に1回のみ、花を楽しむことができます。